働いているサロン(報酬の支払いをしてくれる個人事業主のオーナーもしくは法人)が課税事業者(一般課税選択)の場合
026業務委託でサロンワークをしている私にインボイスは関係あるの?
インボイスは、あまり関係ないと思っている方も多いと思います。
しかし、『業務委託のフリーランスとしてサロンワークをしている方』は、無関係ではないかもしれません。
例えば、報酬について、担当したお客様の施術料金をサロンが受け取り、歩合として報酬を受け取る場合、あなたとサロンとの取引になり、インボイス対応が必要になってくるかもしれません。
『免税事業者のあなた(報酬を受け取る側)と一般課税事業者※のサロン(報酬を支払う側)』というケースでどのようなことが想定されるか見ていきます。
※サロンが一般課税事業者かどうかは、サロンにお聞きください。
今からお話しするケースは、あなたが、今まで税務署に消費税を支払う必要がなかったし、これからも今のところ年間の売上見込みが1,000万円を越えないと思う場合になります。
例えば、今、業務委託でサロンワークのみをやっていて、年間の報酬が7百万円くらいで、今後数年間は、1千万円を越えないと思う場合です。
あなたにもインボイスは関係があります。
何故関係するのかというと...
- あなたがインボイス登録をしないと、サロンにとってあなたに支払った消費税が控除されず、金銭的な負担が掛かかります。
- あなたがインボイス登録をすると、3月には、消費税を納付する必要がでてくるので、インボイス登録前と同じ報酬だと手取りが減ります。
あなたの今の年間報酬(売上)が720万円(月60万)だとします。
- あなたがインボイスに登録しない場合、サロンは、年間約13万円(説明参照)負担が増えることになります。
- あなたがインボイスに登録した場合、あなたは、年間約33万円(簡易課税、みなし仕入れ率50%で算出)か、又は、受け取った消費税額の20%を納付しなけばならなくなり、手取りが減ってしまいます。ただし、一般課税で消費税を納付する場合は、消費税額は変わります。
インボイスについて、サロンオーナー自身もあまりよく分かっていない場合、業務委託のあなたにも説明されないため、分からないままインボイスを放置してしまう、ということもありえます。
結論
補足説明
免税事業者
1月から12月までの売上が1,000万円以下の事業者
課税事業者(一般課税選択)
2期前の年間売上1,000万円を超えている事業者で一般課税を選択しているか、若しくは、年間売上(複数店舗経営している場合は全店舗の合計)が5,000万円を超える事業者
課税事業者(簡易課税選択)
2期前の年間売上1,000万円を超えている事業者で年間売上(複数店舗経営している場合は全店舗の合計)が5,000万円以下で簡易課税を選択している事業者
みなし仕入率
簡易課税を選択した際の消費税の算出方法です。事業形態により第1種から第6種までの6つの事業区分に対し税率が40%〜90%に簡易的に設定されています。今回の記事では、税率50%を利用して算出しました。「みなし仕入れ率」について、詳しくは、国税庁のホームページ(No.6509 簡易課税制度の事業区分)をご覧いただくか、管轄の税務署や税理士等にご確認ください。
約13万円の説明
期間:2023年10月1日〜2026年9月30日の間で適用される経過措置です。課税事業者(一般課税選択)が免税事業者に支払いする際、インボイスがないことにより消費税の仕入れ税額控除ができないが、経過措置として消費税額の80%が仕入れ税額控除として認められます。