中小企業の経営者、経理担当
顧問税理士がついている事業者
電子帳簿保存法について具体的にどう対応したら良いか分からない事業者
035顧問税理士がいても事業者が電子帳簿保存法の対応方法について考えておいた方が良い理由
この記事をご覧になっているということは顧問税理士がついていて、自分でも電子帳簿保存法について対応方法を考えていたり、どうすれば良いか分からないけど対応しなきゃな、と思っているのではないでしょうか?
税理士と顧問契約をしていない方は、インボイス制度も始まるし、電子帳簿保存法もよく分からないし、顧問税理士を付けた方が良いのかな?とお考えかもしれません。
もしかしたら、この記事に偶然辿り着いた方かもいらっしゃるかもしれませんね。
何れにしても、ご覧いただき、ありがとうございます。
今回の記事は、私が18ヶ月以上かけて様々な視点からリサーチした現段階の結果をご紹介します。
特に多数の個人事業主・フリーランス、中小企業の経営者、税理士などの現場の声や現状をご紹介し、そこからどうしたら良いかを考えてみた結果...
事業者自身で電子帳簿保存法対応について準備したり、考えておいた方が良い
ここで、事業者と税理士のご意見の代表的なものをご紹介させていただきます。
いろんな立場の方とお話をしていくと、当たり前なんですが、それぞれの立場によって考えていることが違います。
事業者の意見
- 電子取引の義務化?税理士さんに何も言われてないよ?
- 入会しているコミュニティから郵送でお知らせ来てたけどよく分からないし放置してる。
- そういえば税理士さんに何か変わるって言われたけどよく覚えてないし、その後何も言われてないから大丈夫なんじゃない?
- 電子取引の義務化は聞いたことあるけど何をどうすれば良いか分からない。
- 周りの事業者、経営者も特に何もしてないって言ってるし、まだ、大丈夫なんじゃない?
- 税理士さんに領収書とか請求書渡して記帳もお願いしてるし、任せておけばどうにかしてくれるでしょ。
税理士の意見
- そこそこの規模の事業者は紙の削減を考えたり、DXの意識も高く、電子化しようとしてるから電子帳簿保存法の意識が高いし、対応の優先順位が上がるけど、規模の小さい事業者は後回しになりがち。
- 事業者から相談されたらアドバイスするけど、また年末に急に変わることも考えられるから顧問先に案内するのはちょっと怖いんだよね。お客様に案内しても変更があってひっくり返されたら事業者に何か言われるのはこっちなんだから。電子取引の義務化を全事業者に、とか実際無理じゃね?もうちょい様子見しよう。
- 実際、事業者に運用についてどう案内すれば良いか分からなくて私たち税理士も困ってる。
- インボイス制度が先に実施されるからそっちをとりあえず優先してるよ。
- ぶっちゃけ、安い顧問料じゃそこまで時間割けないよ。「事業者がどのように運用していくか」になるから税理士任せじゃどうしようもできない部分もあるんだよ。
- 電子帳簿保存法関連のシステムなどのメーカーやベンダー・コンサルタントで義務化以外の区分の電子化もめちゃくちゃ推してくるとこあるけど、ホントにお客様にそこまでご案内した方が良いのかな?現実問題、お客様がそこまで対応可能かな?
参考までに私が感じた税務署の電話相談センターの状況をご紹介します。
- 担当者によって知識量が違う
- 同じ質問をしても人によって言うことが違う(統一されていない)
- まだ電子帳簿保存法の開始がされておらず前例もない状態なので細かい部分は実際に制度が始まってみないと分からない
それぞれの立場の意見や事情があり、更に情報も錯綜しているので、困っている人が多いようです。
このような状況ですが、税務調査時に何か指摘されたら、違反になり、最終的な責任は事業者自身になります。
ちょっと厳しい言い方になりますが、顧問税理士のせいにして、文句を言って一時的にスッキリするかもしれませんが、何の解決にもなりません。
じゃあ、どうする??
このような状況も踏まえて、事業者自身でも最低限の電子帳簿保存法の対応について勉強して、準備しておく必要があると思います。
気をつけた方が良いケースは、「よく分からないから何も対応しなかった」とか「誰かに何もしなくて良いんじゃない?」とか言われて本当に何も対応しなかった、というケースです。
私としては、何か言われたからと言って、準備しないという選択は、全くお勧めできません。
参考)[011]うちは顧問税理士ついてるから大丈夫!もご覧ください。
結論
情報が錯綜する中、事業者は少なくとも現時点では電子帳簿保存法の義務化の『電子取引』対応が2024年1月1日から開始できるように準備する必要があります。
顧問税理士がついているからどうにかしてくれる、というのは幻想です。
アドバイスはしてくれても最終責任は事業者自身であることを認識して事業者自身で電子帳簿保存法の情報収集、制度理解、対応準備も考えましょう。