一般課税で消費税の計算をする事業者税理士、会計士
経理担当
048Apple(アップル)からの領収書とインボイス
確定申告や決算、普段の経理をする際、iCloudを使っていたり、アプリ課金をしていて、Appleからメールで送られてくる領収書にインボイス番号がない💦と思った事業者の方もいらっしゃるのではないでしょうか??
私はiCloudの有料ストレージサービスと、他社が開発してApp Store経由でアプリをダウンロードし、課金して使うサービス(サブスクリプションタイプ)を利用しています。
いずれにしてもAppleからインボイス登録番号の記載のない領収書がメールで送られます。※
※iPhoneの設定をタップ→上部のApple ID、iCloud(iCloud+)、メディア購入をタップ→上部に記載されているメアドに届くメールでAppleからの領収書がご確認いただけます。
結論から言うと、私が確認した時点(2023年12月末、2024年2月上旬、3月中旬)では、「個人で使っているApple IDの領収書は、インボイスの発行はない」とのことでした。
- Apple Japan合同会社(T3011103003992)、iTunes株式会社(T8011101043359)は、インボイス登録されています。
- インボイスが発行できるものと発行できないものがあり「iCloudの有料ストレージサービスやアプリ課金はインボイスの発行ができない」とのことでした。
- なぜ、インボイスが発行できないのか聞いてみましたが、理由までは分かりませんでした。
これは過去のリサーチ経験も踏まえてになりますが、もしかして消費税が課税されていないのかな?とか、領収書はAppleから発行されているけど、Apple Japan合同会社でもiTunes株式会社でもない他社(海外企業など)に支払っていて、そこがインボイス登録してなくてインボイスの発行ができないのかな?などの可能性も考えましたが、現状、今後の発表を待つしかなさそうです。
ちなみに、iCloud+についてはホームページの料金が記載されている箇所を確認したところ、消費税込価格の表記となっています。
インボイスがないので、金額や売上規模により、少額特例に該当しない場合は、直近では80%控除での処理になるかもしれません。(詳しくは税理士、管轄の税務署にご相談ください)
Appleからの領収書がインボイスではなくても他の方法でインボイス対応可能な場合もあります。App Storeでアプリに課金している場合は次のように確認することもできます。
- どこ(誰)がアプリを提供しているか確認し、提供者がインボイス登録事業者か確認します。
- アプリ提供者のホームページや利用規約などでインボイスに関する情報があるか探します。(日本国内のアプリ提供会社については、Web版、PCインストール版についてはインボイスに関する情報があるけど、iOS版やAndroid版については触れていたり、触れてなかったりする場合があります。)
- Webでは該当する情報がないけど、課金しているアプリ内のFAQや利用規約などに記載されている場合があるので隅々まで探します。
(注)海外のアプリで日本のインボイス制度に対応していないものや、個人の開発者がアプリを提供していてインボイス発行可能か分からないものもあります。
アプリ提供者に問い合わせてもAppleに問い合わせても解決しない(たらい回し)こともありますが、その時は潔く諦める(時間を考えると金額によっては潔く諦めることも大切かもしれません。)か、他の同様のサービスに乗り換えを検討することも必要かもしれません。
相談できる税理士さんなどが付いてるようなら、状況を説明して、対応方法の相談やアドバイスを求めるのも良いでしょう。
このようなことも視野に入れることも必要になるかもしれません。
Apple Storeで買い物をした場合や修理などをした場合、店頭で支払いをするとインボイスの発行が可能のようです。しかし、Apple Storeで修理依頼をしても修理品を郵送で受け取るケースでは、支払い方法が、カードの一括払いのみになり、カード明細が領収書の代わりになるので、インボイスの発行はない、とのことでした。
インボイスが必要な事業者は、サービスを受ける前に確認するか、サービスを利用したいと思ったら、仕入れ税額控除が全額適用されない可能性がある時は、80%控除になることも考慮してサービスを利用していくことになりそうです。
結論
- Appleからの領収書は、インボイス対応しているもの、インボイス対応していないものがあります。
- インボイスが必要な事業者は、サービスを利用する前にインボイスが発行できるか確認するか、もし、サービス利用の優先度が高ければ全額仕入れ税額控除ができない可能性を考慮して、80%控除で処理をすることを視野に入れて利用する。
- 今後のAppleのインボイス対応の公表を待ちましょう。