0382023年10月1日からインボイス登録事業者になるか、様子見するかどっちが良い?
免税事業者の方でこんなこと考えていませんか?
- 🤔 インボイスについて概要は知っていたり、何かしらのかたちで説明を受けたけど本当にインボイス登録した方が良いのかな?
- 🤔 BtoBのお仕事だけど、特に取引先(支払ってくれる事業者)からインボイス登録について聞かれないし、インボイス制度が始まってから様子を見て、必要そうなら登録しようかな?
- 🤔 お店をやっていて、たまに領収書を持っていくお客様がいらっしゃるけど、一般消費者のお客様も多いから様子見しようかな?
インボイス登録するかしないかは任意なので、登録するか、登録しないか、登録するとしたら10月1日から登録するか?、いつから登録するか?、インボイス制度開始後に様子を見てから必要そうなら登録を検討するか、など最終的に事業者自身で判断して決めていくしかありません。
どちらが正解、ということはありません。
とはいえ、情報が錯綜していたり、人によって言っていることが違うこともよくあるので、複雑でこういうのが苦手な事業者にとっては苦痛でしかないですよね😭
特に押さえておいた方が良いポイントを3つお伝えします。
個人事業主や12月決算法人を例にして解説します。
12月決算以外の法人は自社の期末、期首に置き換えてお読みください。
記事中の表などに出てくる日付や決算期の表記について、次のインボイス登録、取消のタイミングを考慮してください。
インボイス登録申請について
経過措置期間中については、期首(個人事業主などは、1月1日)からでなくても決算期の途中(個人事業主などは、1月〜12月)からインボイス登録事業者になれます。インボイス登録事業者になるには15日前までに登録申請をする必要があります。
インボイス登録取消届出について
取消したい日の15日前までに書類を出してください。特に次の決算期(個人事業主などは、1月1日)からインボイス登録を取り消して課税事業者から免税事業者に戻りたい場合は、決算期の末日(個人事業主などは、12月31日)の15日前(12月17日)※までに取消届出をしなければならないので、お気をつけください。※取り消したい課税期間の初日から起算して15日前の日
① の事業者について
2023年10月1日からインボイス登録事業者になっておくことが一番安全です。
10月1日からインボイス登録事業者になっておくと諸手続き※を経て、最短で2024年1月1日から免税事業者に戻れます。次で詳しく説明しますが、2024年以降にインボイス登録事業者になると最低2年は課税事業者となり(免税事業者に戻りたくてもすぐに戻れない)、消費税の納付が必要となります。
※ 2023年12月17日(日)までに登録の取消手続きをする。
諸説ある、というのもとても変な話で違和感だらけですが、私のリサーチだと実際、諸説ありました。
10月1日にインボイス登録事業者(課税事業者)になっていたら、
※2023年12月17日までに取消手続きをしたら2024年1月1日から、2024年12月17日までに取消手続きをしたら2025年1月1日から免税事業者に戻れます。
10月1日以外の2023年中(例えば、10月20日からインボイス登録事業者になる、など)にインボイス登録事業者になると最短で2024年1月1日から免税事業者に戻れる説と最短で2026年1月1日からでないと免税事業者に戻れない説があります。
タイミングを変えて合計10回税務署に問い合わせましたが、見解がちょうど半分に分かれていました。
もし、10月1日から以外で、2023年中にインボイス登録していたら数ヶ月や1年ちょっとで免税事業者に戻れるのであれば良いけど、2026年1月1日からでないと免税事業者に戻れない可能性があるとなると、慎重に判断する必要があります。
詳しくは、税理士さんや管轄の税務署にご確認ください。
このポイントとしては「10月1日を含む課税期間」をどう読みとるか、のようです。
個人事業主や12月決算法人については1月から12月が1つのくくりになるのですが、インボイス制度が始まるのはその途中の10月になります。10月1日にインボイス登録している必要がある(インボイス登録=課税事業者)と読むか、1つのくくりの中で、10月1日を過ぎても12月31日までにインボイス登録事業者になっていたら「10月1日を含む課税期間」と読むかで見解が分かれているようです。
② の事業者について
10月1日からインボイス登録事業者とならず、周りの様子をみて必要を感じたら諸手続き※を経てインボイス登録事業者になることができます。
※ 15日前までに申請書を提出する。(10月1日以降に書面で申請する事業者はこちらの様式です。)
2024年に入ってインボイス登録事業者になり、不要なら免税事業者に戻ることも視野に入れている場合は注意が必要です。
[①の事業者について]でも少し触れましたが、最低2年は課税事業者になり、消費税を納付する必要があります。
インボイス登録事業者になった後、不要なら免税事業者に戻りたい、と少しでも考えていたら、いつ登録すると、最短でいつ辞めれる、消費税の納税はいつまで、などのスケジュールの把握はしっかりしておくことをお勧めします。
③ の事業者について
しばらく様子を見てから、必要を感じた時にインボイス登録する方がムダが抑えられるかもしれません。
特に次のように考えている事業者については...
という事業者は事業内容にもよりますが、しばらく様子を見て、必要を感じた時にインボイス登録する方が、(消費税納付による)損失感を和らげられるかもしれません。
まとめ
- インボイス登録は様子を見てから判断したいけど、2年経過するまで免税事業者に戻れない(消費税の納付が必要な)のは嫌だな、と思ったら2023年10月1日からインボイス登録事業者になることが安心です。
- 2024年1月1日以降にインボイス登録事業者になると最低2年は消費税の納付が必要になります。インボイス登録事業者になる時期により消費税納付の必要期間が変わり、消費税納付額も2年分から3年分の間で変わるので、場合によっては、キャッシュフローについて考えておく必要が出てくるでしょう。
- 基準期間※1の売上が1,000万円を超えると、そもそも課税事業者となります。売上を伸したり、事業を拡大させていく方向だとしたら、今直ぐインボイス登録の必要性を感じなければ※2、様子を見て、必要を感じたらインボイス登録すれば良いでしょう。
※1 基準期間は、2年前(2期前)、決算期により変わります。
※2 ビジネス利用のお客様がいないなど
補足説明
免税事業者
課税期間(個人事業主は1〜12月、法人は期首から決算月まで)の売上が1,000万円以下の事業者
国税庁の「基準期間がない法人の納税義務の免除の特例」もご参照ください。
課税事業者
一般課税選択
2期前の年間売上1,000万円を超えている事業者で一般課税を選択しているか、若しくは、年間売上(複数店舗経営している場合は全店舗の合計)が5,000万円を超える事業者
簡易課税選択
2期前の年間売上1,000万円を超えている事業者で年間売上(複数店舗経営している場合は全店舗の合計)が5,000万円以下で簡易課税を選択している事業者
経過措置期間
令和5年10月1日(2023年10月1日)から令和 11年9月30日(2029年9月30日)までの日の属する課税期間