[電子帳簿保存法]
記事の対象者:全事業者
なんとなく分かったけど不安がある方
なんとなく分かったけど不安がある方
012義務化の電子取引がどういうものか簡潔に解説します。
更新2023年5月25日
電子帳簿保存法には、電子取引、スキャナ保存、電子帳簿・電子書類保存の3つの区分があり、その中で電子取引だけが、義務化されます。
「義務化の電子取引について調べ始めてみたものの、国税庁の一問一答はごちゃごちゃ書いてあるし、趣旨は何?」という状態になっている方はいらっしゃいませんか??電子取引の保存について簡単に説明すると・・・
- 電子での取引履歴を(改ざんしないで)可視性と真実性の確保をするという要件を満たした状態で最大10年データの保存します。
- 税務調査の時に担当の方から求められたら保存しているデータを速やかにダウンロードや出力(印刷など)の対応をしてください。
というだけのことですね。
取引履歴とは、例えば、次のようなものです。
- 取引先に送った見積のやり取りのメールや注文書、請求書、など
- ECサイトで購入した時の注文確認メールやECサイトからダウンロードした領収書、など
- サロンや飲食店、宿泊施設などでの予約履歴や予約メール、など
要件について
- 可視性の確保をします。※1
- 真実性の確保をします。※2
- 事務処理規程を作ります。※3
- 上記、要件を満たした状態で必要期間(最大10年間)データが失われないように保存する。※4
- ※1ディスプレイ(スマホでも可)とプリンター(近くのコンビニなどでプリントできればOK)の設置、それらの操作説明書をすぐに閲覧できる状態にしておくこと、そして、ファイル検索要件を全て満たすこと、又は、指定の検索したファイルを税務署に提出することが必要になります。
- ※2タイムスタンプか専用システムを使うか、専用システムは使わず事務処理規程を作成して対応するかいずれかの方法で対応する必要があります。
- ※3専用システムなどを使っていても、例外が発生する場合があるので、結局、真実性の確保という要件を満たす為に必要になります。
- ※4要件ではないが、バックアップをとっておくことをお勧めします。
可視性の確保について
ファイル検索要件
- 全事業者、下記の要件を満たす必要があります。
- 要件①取引年月日(その他の日付)、取引金額、取引先の3つを検索条件として設定することができる
- 要件②日付又は金額の項目については、範囲を指定して条件を設定することができる
- 要件③2つ以上の任意の項目を組み合わせて検索条件の設定をすることができる(日付と金額や、取引金額と取引先などを組み合わせて条件設定して検索できること)
重要条件付きで要件①のみの対応(②③は不要)で問題ありません。
「検索したファイルを税務署に提出すること」について
「検索したファイルを税務署に提出すること」とは、税務調査時、電磁的記録(電子取引データ)の提出の求めに応じることです。提出の方法は、USBメモリなどの記録媒体にコピーする方法なるので、クラウド(インターネット)上のストレージやサービスに保存してある場合は、検索したファイルをダウンロードしていただき、媒体にコピーします。
- ファイル検索要件①のみの対応で良い条件
- ①税務調査時、税務署の求めに応じて電子取引データを提出こと
- ファイル検索要件①②③の全て不要な条件
- ①基準期間の売上高が5,000万以下の事業者
- ②税務調査時、税務署の求めに応じて電子取引データを提出こと
- ③プリントアウトした電子取引データを取引年月日(その他の日付)及び取引先ごとに整理された状態で提示・提出することができるようにしていること
ファイル検索要件全て(要件①②③)に対応していても、税務調査時、税務署の求めに応じて電子取引データを提出する必要があるかもしれないので、ご注意ください。
これだとだいぶざっくりしています。国税庁サイトの一問一答等に細かいことが色々書いてありますので、そちらもご覧ください。国税庁などの公式サイトは、「【007】電子帳簿保存法に関する国税庁のURL情報」にまとめてありますので、ご覧ください。
また、会社の規模やビジネス・スキーム(手順)などにより、具体的な事務処理は、ケースバイケースになるので、順次記事にしていく予定です。