010電子帳簿保存法(電子取引)の対応を後回しにしていませんか?
- ①あなたは『今』もらえる80万円、1年後にもらえる100万円どっちを選びますか?
- ②やらなきゃいけないことは分かっている(コレ必要、という認識はある)けど、嫌(面倒・不得意)な仕事はついつい後回しにすることありませんか?
多くの人は意思決定をするにあたって、『時間』が影響してしまいます。
このことを行動経済学では、①は「遅延報酬の価値割引と時間選好」、②は「現在バイアス」と言います。
どちらも、先のことよりも「目先」や「今」を重視してしまう感覚です。
- ①は、今もらえる80万円を選ぶという方も多いのではないでしょうか?
- ②は、あるある〜、とか今、まさにそれだ!という方もいらっしゃいませんか?
ちなみに私は①は1年待てば年利25%になっていて、好条件なので1年後の100万円を選びます。②については思い当たるフシあります。
なぜ、こんなことを書いたかというと、当編集部独自の調査によると、(電子帳簿保存法のうちの電子取引の義務化を知っている)中小企業の事業者、個人事業主の多くは電子帳簿保存法対応をついつい後回しにしてしまっているからです。
後回しにしてしまう要因として、まだあと1年以上の時間もあるし(2024/1/1から対応する必要があります)余裕でしょ、とか、他の周りの事業者(経営者)もまだやってないし、とか、普段の業務が忙しく、そっちまで手が回らないから、などが挙げられます。
確かに、つまらない・利益を生むかどうかも見えてこない電子帳簿保存法対応するのに力を注ぐより、あの企画どうしよう、こうやって動かしていこう、とか、来月の売り上げ考えなきゃ・・・に頭と身体を使いたい、と思うでしょうし、経理担当の方はただでさえギリギリの人数で対応していて普段の業務で忙しいのに電子帳簿まで!? ムリムリ、ということもあるかと思います。
しかし、電子帳簿保存法の電子取引区分は「義務化」なんです。そして、青色申告の事業者は罰則の可能性もあります。さらに、最大10年の保存義務があります。
電子帳保存法の対応には、意外と準備に時間がかかってしまうことがあります。
ギリギリで準備を始め、適当に運用を開始すると電子取引の対応には間に合うかもしれませんが、運用に思った以上に手間がかかってしまったり(手間がかかるということはコストがかかることになります)、拔けがあったり、数年後困ることが発生したり、費用面で損してしまうこともあります。
選択肢は色々あるのでどのような選択をするかは自由だと思います。
例えば
- ①最大10年の保存義務があることも踏まえて、なるべく後で困らないように時間をとって準備をする。
更に電子帳簿保存法をきっかけに計画的にDXを進めることで、結果的に利益を出せるようになることでしょう。 - ②まだ、あと1年くらい準備期間もあるし、後回しにする。
業種、事業規模、担当者の電子帳簿保存法やITなどリテラシーによりどうにか間に合うかもしれないが、思ったより時間がかかると間に合わない。さらに後で損する可能性も出てきます。 - ③周りの事業者、経営者も特に何も言ってないし対応しない。
いくら周りが対応していないからといっても義務化なので、対応しないのはありえないですが、事業者自身で責任を取ることになるので腹を括ってリスクも承知でこの選択をするのも自由だと思います。 - ④お金を払って専門家に依頼してその時の時間・予算により最適な方法で解決する。
個別対応だと高額になったりします。また、高額な専門家に依頼しても実施の過程で事業者自身が対応しなければいけない部分があり手間がかかる場合があります。
いろんな選択肢があり、メリット・デメリットがある中で、あなたの事業所は『今』に注目して後回しにしますか?『先』を見据えて準備していきますか?